前野智昭、東山奈央も登壇した「河森正治 NEW PROJECT BRIEFING」開催。最新TVアニメ『重神機パンドーラ』のコンセプトは「時代のスピード感」

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「マクロス」「アクエリオン」シリーズの河森正治監督が手掛ける最新プロジェクト「THE NEXT」。本作のタイトル発表会「河森正治 NEW PROJECT BRIEFING」が、10月17日に開催された。TV アニメ最新シリーズのタイトル名は『重神機パンドーラ』。放送開始は 2018 年春を予定している。
六本木・ニコファーレには河森総監督が登壇。イベント内で解禁されたメインキャストの前野智昭さんと東山奈央さんもサプライズ出演し、満員の会場でトークを披露した。

まずはニコファーレの四方の壁を取り囲む巨大 LED にロゴマークが映し出され、タイトルが『重神機パンドーラ』(じゅうしんきぱんどーら)であることが判明。
物語は次世代エネルギー装置・量子リアクターの暴走によって、未曾有の大災害・翔龍クライシス(しゃんろんくらいしす)が起きた 2030 年代が舞台。
独自の進化を遂げた特異進化生物 B.R.A.I(ブライ)によって、絶滅寸前まで追い詰められた人類が描かれる。
メインスタッフは監督に佐藤英一さん、シリーズ構成に根元歳三さん、キャラクター原案に江端里沙さんと、これまでも河森作品に参加してきた盟友たちが揃う。アニメーション制作はサテライトが行う。

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本作のコンセプトについて河森監督は「時代のスピード感」を挙げる。現代は AI やバイオテクノロジーなど、あらゆる技術が猛スピードで進化しており、その速さゆえに「人類が追い立てられている」とさえ感じているそう。「進化の速度に対して人類は何ができるのか?」という真っ直ぐな問いかけがバックボーンにあると打ち明けた。

『重神機パンドーラ』というタイトルにも「現代はすでにパンドラの箱が開いてしまっているのではないか?」という考えが反映されている。
河森監督はVR 映像や 3D プリンター、さらにはニコファーレの四面スクリーンなどを例に、あらゆる技術革新が起きていることに触れて、「パンドラの箱が開いてしまった時代に残された希望は何なのかを描きたい」と意気込みを力強く語った。

河森作品はメカも大きな見どころの一つ。続いては可変メカ MOEV(モーヴ)のビジュアルが公開されました。デザインは車がモチーフで、B.R.A.I によって破壊された不安定な地形を進むため、全地形に対応可能であることを想定して生み出された。
どんな悪路でもパワフルに突き進んでいくアクションに相応しく、顔付きも重厚感あふれる出来映えに、客席のファンは息を飲んだ。

そのほか、ロボットアニメでありながら怪獣映画のテイストを取り入れていることや、メインキャラクターは 10 代の少年少女ではなく 20 代をメインにしていることなど、興味深い設定も披露されました。苦労した点については「久々に歌を使わない戦闘シーンを描いたのは大挑戦でした」と笑顔で告白。
河森監督らしいユニークな悩みに会場が笑いに包まれる一幕もあり、イベントは和やかな雰囲気で進行していった。

後半では PV 第 1 弾が初上映。主人公のレオン・ラウとクロエ・ラウの兄妹が助け合いながら暮らしている日常風景や、大迫力のメカアクションや変形シーンが映し出され、観る者の心を鷲掴みにする 1 分 45 秒の映像に仕上がっている。
PV ではキャスト陣も公開され、レオン役の前野智昭さんとクロエ役の東山奈央さんがステージさんに登ると、ファンの大声援で迎えられた。

レオンは翔龍クライシスを引き起こした天才科学者の一人。生活力はまったくないが、凜とした力強さも持ち合わせたキャラクターです。キャスティングについて河森監督は「芝居の幅が広くて、どれも魅力的だった」ことが決め手だったとコメント。
前野さんは河森作品のメインキャラクターを務めることが一つの目標だったと語り、「すごく光栄です」と緊張した面持ちで答えた。劇中ではレオンのさまざまな一面を楽しめそうだ。

クロエはそんな兄を支えるしっかりものの少女。東山さんは河森作品の常連とも言える役者。河森監督は「今回はたっぷりと喋る役をお願いしたかった」と起用の理由を話した。クライシスを生き抜いたたくましさや感受性の豊かさを表現できる点も魅力で、前野さんとの掛け合いに期待が膨らむ。

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そんな兄妹ですが実は血が繋がっておらず、「家族契約」を結んだ間柄となっている。「家族契約」は血縁だけで家族を維持することが難しい状況下において、レオンとクロエが生きるために結んだ約束だという。
数多くのルールが存在し、第 5条「裸でうろちょろしない」というコミカルなものから、第 17 条「どんなことがあっても家族(クロエ)を守る」というシリアスなものまでバラエティ豊か。「家族契約」が二人を強くするという側面もあり、物語の根幹に関わってくる設定だ。

ティザービジュアルでは野営をする二人のイラストに、「生きるために、僕たちは契約を結んだ。」というキャッチコピーが記されている。過酷な世界でどのような家族のかたちが描かれるのだろうか。
最後に河森監督は「ものすごく時代が加速している中で、その加速に追いつかれないようにスタッフ一同進化して、新しいものを作っていければと思っています。パンドラの箱からどんな物語が飛び出すか、ご期待ください。今日は本当にありがとうございました」とメッセージを伝えて、イベントを締めくくった。

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