2024 年 7 月から連続 2 クールの放送を予定しているTVアニメ『2.5 次元の誘惑（リリサ）』。本作は、2 次元のキャラクター・リリエルを愛する平凡な男子高校生・奥村正宗が、リリエルを愛し「リリエルになりたい」という新入生・天乃リリサと出会うことで始まる熱血青春コスプレ作品。
リリサの頼みでコスプレの撮影に協力することになった奥村。リリサと共に活動するうちに感じたコスプレイヤーたちの情熱やそれぞれが抱える想い、様々な苦難を乗り越え成長していく姿が描かれる。
今回、本作で天乃リリサを演じる前田佳織里さんにインタビューを実施。コスプレ、そして熱血をテーマに据えた作品や、キャラクターの見どころを伺った。
熱い気持ちを持つ姿は「ジャンプ作品の主人公」
――本日はよろしくお願いします。まず、原作を読んだ際の印象から教えていただけますか。
オーディションのお話をいただいたときに原作を読ませていただきまして、絵柄がすごくかわいいことが印象に残りました。最初はラブコメ要素やコメディ要素が強い作品なのかな、と思っていたら、読み勧めていくとスポ根で、情熱的な作品だなと感じました。好きなものを追い求める情熱を教えてくれる作品ですね。
――キャラクターについてはいかがでしたか？
これがまたかわいいんですよ。時折ギャグシーンでリリサたちがチビキャラになる瞬間があって、それもまた、まったりしていて、メリハリが効いていますよね。
橋本悠先生の絵がとにかくかわいくてきれいなので、アニメを作るにあたって、スタッフさんたちは「頑張らねば」と思ったところはあったんじゃないかと思います。
――この作品は女性からの人気も高いそうです。
読んでみると、その理由もわかる気がします。
女の子独特の線の柔らかさとか、人それぞれの骨格や体型がすごく細かく描かれてて、それが見ていてすごくかわいいし、愛おしく感じます。
――前田さんが演じているリリサについては、どんな印象でしたか？
リリサは最初の登場シーンこそ控えめなお芝居でやっているのですが、物語が進むにつれて、少年を演じているつもりの演技に変わっていきました。熱い気持ちでセリフをぶつけるシーンもたくさんあって、まさに「ジャンプ作品の主人公」といった印象でした。
リリサのすごいところって、好きなものに対する熱い気持ちを伝えると、周り付いてくるというか、周りを動かす力をすごく持っているところですよね。誰かの心を動かせるくらい突き進む姿はやっぱり格好いいなと思いました。
――やはり「スポ根」の雰囲気は軸にありそうですね。
もはや、熱血キャラと言っていいくらいです。セリフのメッセージ性というか、重いシーンもたくさんあって、私としては思っている以上に言葉をぶつけないと伝わらないと感じました。収録後は、奥村先輩を演じる榎木さんといっしょに汗まみれになることもありました（笑）。
私たち声優陣も、アフレコが部活のような感覚になっていたし、ひとつの青春を味あわせてもらいました。
――その一方で、本作はラブコメとしての側面ももちろんあります。青春ストーリーにはどんな魅力を感じましたか？
一人一人のキャラクターが、すごく丁寧に描かれているので、お互いの思っていることがすごくリアルに感じられました。特に美花莉ちゃんは奥村先輩と幼馴染で、リリサにはライバル意識もありつつ、最終的には友と認め合う姿が印象的です。
美花莉の奥村先輩に対する好きと、リリサの奥村先輩に対する好きは似て非なるものだと思うんです。だけど、どっちが正しいとか、勝ちとか負けとかはない。1人のキャラクターから、たくさんの種類の「好き」を感じ取ることができるのは、この作品の特徴だと思います。
――登場キャラクター一人一人に違った目線があるので、見る人によって共感できるキャラクターも変わりそうな気がします。
本当にそう思います。特にヒロインたち4人はみんな個性的だし、お互いコスプレをなぜ始めようと思ったか、その信念が違うんです。この信念もまた、すべてが正しく、間違いなんてないんです。
――そんなヒロインたちの中心にいるのが奥村ですが、この主人公に対する印象もあらためて教えてください。
一番読者に近い立ち位置なのかな、というのは、最初に読んだときから変わらず思っています。
奥村先輩を通してリリサたちの日常を見れるし、榎木さんが演じられることによって、パッションも身近に感じられるんです。
榎木さんのお芝居を聞いて、私も涙が流れるときがたくさんありました。第1話から榎木さんが迫力ある演技をしてくれたから、私も「これは負けてらんないな」と思えたし、引っ張ってくれたと感じます。
――この作品ではリリサと奥村、2人のコンビネーションが重要になってくると思います。
特に第1話はワード数がすごく多くて、作品のプロデューサーさんも「ワード数が多いところが売りです」と仰られて（笑）。私としては、セリフが多いほうが表現しやすい部分もあるし、役者冥利につきますね、
個人的には、長ゼリフでオタク特有の早口にすることがあって、あの瞬間は「アフレコじゃなくて試合だ」と思いました（笑）。オタク特有の早口って、ひとつひとつの文章に熱意を込めないと伝わらなくて、それが普通の早口言葉とは違って難しかったですね。やっぱり、好きなことを喋ってる人は、ちゃんと熱が入ってないと伝わらないですから。
――練習で早口言葉を言う機会もあるかと思いますが、それとはまた違う？
そこに感情が乗るかどうかはやっぱり大きな違いがあります。早口言葉はスピード、正確さが求められるけど、言葉の一つ一つに熱意や知識を含めないと、あの雰囲気は出ないんです。熱意と知識が含まれているから、周囲の共感を呼べるのだと思います。
――この2人に美花莉を加えた3人の関係性も重要になってきますよね。
三角関係という言葉でまとめていいのか分からない、不思議な関係ですよね。三角関係というと、だいたいは昼ドラや少女漫画のドロっとしたものを連想しがちですけど、この3人に関してはさっぱりしているじゃないですか。
お互いがお互いのことを認め合ってるし、リリサはリリサの好きがあって、美花莉は美花莉の好きがあるんです。一読者として、「奥村先輩はどうするんだ！？」と、ドキドキしながら見ています（笑）
――奥村の気持ちの揺れ動きも物語を見るうえでの魅力かと思います。
奥村先輩は女性に対して苦手意識があるところからスタートで、リリサや美花莉とのやり取りで徐々に成長していく過程を見るのは楽しいですね。
特にリリサは自分と同じマインド、同じ熱量を持っている仲間だし、でもやっぱり女子としての意識もしてしまう、気持ちの揺れ動きは感じられました。リリサがコスプレしているときのドキドキは、2.5次元の再現度なのか、リリサ個人に対してなのか、どっちなのか分からない。そこは『2.5次元の誘惑』というタイトルが持つ深さなのだと思います。
作品に出演して増したコスプレイヤーへのリスペクト
――この作品のキャラクターはみんなアニメやコスプレに熱中する姿が印象的です。前田さん自身はそんな姿をどのように見ていましたか。
以前は薄く広く、いろんな趣味を持っていると自覚していたのですが、周りの人からはひとつのものを追求するタイプだと言われることが多いですね。自分自身ではまだまだだと思っていたけど、どうやらリリサたちと共通する部分もあるみたいです。
例えば家でちょっとしたダンスレッスンをするときも、「この役だったらこういう仕草の方がいいよね」と考えますし、メイクも自分でポイントメイクができるように心がけています。役に寄り添って考えているのは私もリリサと共通する部分があると思うし、そんなリリサを演じさせていただくのだから、気持ちもリンクできるように努めています。
――オーディションを経てリリサ役が決まったとのことですが、最初は役に対して、どんなアプローチを心がけたのでしょう。
今回はテープオーディションだったのですが、最初はとにかく勢いを意識しました。やっぱり原作を読んだときに感じた熱血の雰囲気は大事にしたいなと。だけどリリサ本人が持つかわいさも残したくて、バランスは意識したところです。
自分の中で試行錯誤していると、マネージャーさんが「もっとできる！」と何度も言ってくれて、結果的にリリサの良さを引き出せたのかなと思います。
――マネージャーさんは見守るだけでなく、積極的にアドバイスもくれる人なんですね。
ちょっと体育会系というか、情熱的な人ですね（笑）。マネージャーさんとはお芝居の議論をすることも多いし、オーディションでも妥協は全然しないです。
あのテープオーディションがスタートラインだったと思うし、本番のアフレコでも、このチームが持つ唯一無二の情熱についていけたのかなと思います。
――ちなみに、コスプレという趣味、あるいはコスプレイヤーのみなさんにはどんな印象をお持ちですか？
コスプレイヤーはめちゃくちゃ素晴らしいものだと思っているんです。というのも、私たちが見るのはコスプレを披露する当日だけですけど、実際には何日も、何週間も前から準備をしているわけですよね。入念な作業時間は大変でしょうし、尊敬します。
このアニメでも、例えば会場に行くまでの下調べの段階から描かれているんです。コミケに間に合わせるために何ヶ月前から準備して、衣装もメイクもすべて自分で考えて…。大変さを、アニメを通じて知れたのは本当に良かったです。
それに加えて、コスプレするにしても暑さ、寒さもとかすごく大変なんですよね。コスプレって戦いだなと思うし、今はリスペクトしかないです。
――作品の話でいうと、エンディングテーマを鬼頭明里さんと歌唱されていますが、こちらはいかがでしたか。
まずは、あかりんと歌えることが嬉しかったです（笑）。楽曲はとてもキャッチーで、ダンス的な要素も感じられたのが第一印象でした。かわいさの中に中毒性もあって、この作品の世界観をとても表現していると思います。
完成した楽曲を聞いて、今のティーンエイジャーの人にも浸透したらいいな、とも思いました。TikTokとかで、楽曲に合わせて踊ってほしい（笑）。
――最後、作品を期待しているファンに一言お願いします。
『2.5次元の誘惑』は、たくさんの人の心に刺さる作品だと思いますし、自分の好きなものに対して突き進むことの凄さも分かります。
私たちキャスト陣もめちゃくちゃ仲が良くて、よくご飯とかに行くんです。そのときも「早く放送しないかな」と話をするくらい、全員が期待と自信を持っています。
原作は元々人気がある作品ですけど、アニメによってさらに皆さんの中で、より大きな存在になったらいいなと思います。
放送情報
TOKYO MX：7月5日（金）から毎週金曜日22時30分～
テレビ神奈川：7月5日（金）から毎週金曜日24時00分～
テレビ埼玉：7月5日（金）から毎週金曜日24時30分～
千葉テレビ：7月5日（金）から毎週金曜日25時00分～
テレビ愛知：7月5日（金）から毎週金曜日26時05分～
MBS：7月5日（金）から毎週金曜日26時53分～
テレQ：7月5日（金）から毎週金曜日25時48分～
BS11：7月5日（金）から毎週金曜日23時00分～
AT-X：7月7日（日）から毎週日曜日21時30分～
アニマックス：８月3日（土）から毎週土曜日22時00分～
【配信情報】
2024年7月5日（金）22時30分からABEMA、U-NEXT、アニメ放題にて地上波同時最速先行配信開始。そのほか各配信サービスにて7月6日（土）10時30分から配信開始。
■地上波同時最速先行配信
└配信日時：7月5日（金）から毎週金曜日22時30分～
└配信サービス一覧：
ABEMA、U-NEXT、アニメ放題
■見放題サービス
└配信日時：7月6日（土）から毎週土曜日10時30分～
└配信サービス一覧：
アニメタイムズ、auスマートパスプレミアム、バンダイチャンネル、ｄアニメストア、DMM TV、FOD、Hulu、J:COM STREAM 見放題、Lemino、milplus、Netflix、Prime Video、TELASA
■都度課金サービス
└配信日時：7月6日（土）から毎週土曜日10時30分～
└配信サービス一覧：
バンダイチャンネル、Google TV・YouTube、HAPPY!動画、J:COM STREAM、milplus、ムービーフルPlus、Prime Video、Rakuten TV、TELASA、Video Market、VIDEX
